アメリカのソーシャルレンディング

米国では、ソーシャルレンディングサービスが数多く存在します。いずれも、個人が貸し手として投資することを位置づけ、個人の借り手(ボロワー)がインターネット上でお金の貸し借りをすることを推奨しています。サービスは営利と非営利に大別され、本稿で取り上げたProsperやLendingClubは前者の代表例、海外の起業家に資金を提供するKivaは後者の代表例である。後者のKiva社はその代表的な例である。本論文では、営利目的のソーシャルレンディングサービスに焦点を当てる。
しかし、ソーシャルレンディングは、海外ではP2Pレンディングとも呼ばれ、個人間で直接お金の貸し借りをするものではありません。ProsperやLending Clubに参加する貸し手は、借り手の(選択したローンの)債務の一部を購入するだけで、営利目的の貸し手ではありません。非営利のサービスであるKivaに参加する貸し手は、サービスを仲介するマイクロファイナンス機関に無利子でお金を貸すだけです。

米国におけるソーシャルレンディング業界の成長は著しく、世界で初めてソーシャルレンディングサービスを開始した英国を規模・量ともに追い越しています。米国初のソーシャルレンディングサービスであるプロスパーが開始された2005年11月以降、主要2サービスを通じて既に8万件以上の融資が成立し、2011年9月末には累計融資額が6億ドルを超えています。特に、2011年に入ってからは、両サービスの高い成長性が注目され、先月にはProsperとLending Clubを合わせた融資額が約3,000万ドルに達しています。(表1、表2参照)もちろん、ProsperやLending Club以外のサービスもある。もちろんProsperやLending Club以外のサービスもありますが、本稿で取り上げた2つのサービスに比べるとはるかに小規模であり、ソーシャルレンディング業界は事実上この2社による寡占状態と言ってよいでしょう。現実には、ソーシャルレンディングサービスは、米国のクレジットカード市場全体の0.1%未満に過ぎない。現実には、ソーシャルレンディングサービスは、米国のクレジットカード市場全体の0.1%未満に過ぎない。しかし、貸出残高が毎月10%程度増加しており、高い成長率を誇っていることは見逃せません。

投資家は、匿名組合契約を通じてソーシャルレンディング会社(または借入会社)に出資し、出資額に応じて定期的に分配金を受け取ります。
クラウドファンディングとは、「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」を組み合わ
せた造語で、直訳すると「群衆から資金を集める仕組み」です。
現在普及しているインターネットを活用した「クラウドファンディング」は、2000年代にアメリ
カで始まりました。代表的なサービスには、2008年に誕生した『Indiegogo』や翌年2009年にサー
ビスを開始した『Kickstarter』などが挙げられます。
しかし、それ以前にも多くの人から資金を集める活動はおこなわれていました。
有名な例として、「自由の女神」の台座建築資金があります。
「自由の女神」はフランスから贈られたものですが、その台座の建築資金は新聞紙面で、広く寄付
を募ったとされています。インターネットがない時代において、新聞というマスメディアを活用した
クラウドファンディングといえるでしょう。
また、実は日本においても同様の仕組みはありました。
『勧進』という言葉をご存じでしょうか。
『広辞苑』には、「人々に仏道をすすめて善に向かわせること。」という意味の他に、「社寺・仏像の
建立・修繕などのために金品を募ること。」とあります。
実際に、東大寺は鎌倉時代から幾度となく勧進がおこなわれ、再建のための資金を広く人々から集
めたとされています。
クラウドファンディングという言葉自体は比較的新しいですが、何かの目的のために多くの人々に
協力を呼びかけ、資金を募るという手法自体は古くから存在していたわけです。

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